タグ : 音の博覧会

TIAA音の博覧会 2016【記事掲載】


2016年10月16日(日)に日暮里サニーホール コンサートサロンで
「未来に残すべき俊英作曲家による作品群」と題して、TIAA音の博覧会 2016 が開催されました。
音の博覧会チラシ
東京国際芸術協会が主催するTIAA全日本作曲家コンクールで受賞された作曲家様方の現在の作品を、作曲家様本人の解説によって人柄を感じながら聴いて頂くコンサート「TIAA音の博覧会」で5名の作曲家様方の作品をお届けいたしました。
 
当コンサートの記事が『音楽現代2017年2月号』に掲載されましたので、
こちらにご紹介いたします。

受賞者たちの「今」を知るこのコンサートは、作曲者と司会者との対話により“現代音楽”を身近に感じていただく内容となっております。
 
今年の「TIAA音の博覧会2017」は10月15日(日)の開催を予定しております。
ご予定が空いていらっしゃいましたらぜひ足をお運びください。

2016年10月16日(日)TIAA音の博覧会 2016【ギャラリー】


2016年10月16日(日)に日暮里サニーホール コンサートサロンで
「未来に残すべき俊英作曲家による作品群」と題して、TIAA音の博覧会 2016 が開催されました。
音の博覧会チラシ
東京国際芸術協会が主催するTIAA全日本作曲家コンクールで受賞された作曲家様方の現在の作品を、作曲家様本人の解説によって人柄を感じながら聴いて頂くコンサート「TIAA音の博覧会」で5名の作曲家様方の作品をお届けいたしました。当日のトークとは少し違う部分もございますが、演奏会前に作曲家様方にアンケートした内容を掲載させていただきます。
 
 
野村朗S
【 野村朗 】
名古屋音楽短期大学音楽科作曲専攻卒業。小櫻秀爾氏、故有賀正助氏に師事。闘病と私大職員とを並行しつつ、「いのちの輝き」をテーマとした作曲活動を続けてきた。名古屋と東京で作品リサイタル3回。ミュージカル「おはよう!アント」(平成3年度愛知県地方振興補助事業)、連作歌曲「智恵子抄」、合唱曲「永訣の朝」、「鎮魂歌・あざみの花に」、ソナチネ「Enfance finie(過ぎ去りし少年時代)」など作品多数。全日本作曲家コンクールに9回連続で入賞を果たす他、東京国際歌曲作曲コンクールに連続入賞。2016年度国際芸術連盟作曲賞を受賞。名古屋音楽大学同窓会会長。(学)同朋学園評議員。東京国際芸術協会会員、国際芸術連盟作曲家会員。
 
歌曲「永訣の朝」(詩:宮澤賢治)  演奏:森山孝光(バリトン) 森山康子(ピアノ)
<曲目解説>
 今にも命が尽きようとする病床の妹トシが「雪みぞれを食べたい」と言います。曲がった鉄砲玉のように雪降る庭に飛び出した賢治でしたが、激しい慟哭のような悲しみと、祈りに似た静かな悲しみと、二つの悲しみに揺さぶられてなすすべもなく立ち尽くしてしまうのでした…。妹は既に死を受容し、残される兄を案じてさえいるのですが、賢治の心は千々に乱れ、苦しみます。そして、賢治は「一つの歌」を歌うのでした。清浄な、心からの、たった一つの歌。その歌とともに、やがて賢治の心はトシの魂と一体となり、神仏の恩寵に満たされていくのでした。第19回TIAA全日本作曲家コンクール歌曲の部・第2位受賞作品。
 
<出品曲誕生秘話>
 最初は、東京芸大奏楽堂日本歌曲コンクールに出品したいと考えて書き始めたのですが、悩みに悩んで筆がすすまず断念。名古屋市内で開催した作品リサイタルで初演しました。その後、後半を大きく書き直し、同時に「混声四部合唱曲」バージョンを制作して、歌曲と合唱曲とを両方ともTIAA全日本作曲家コンクール歌曲の部並びに合唱の部に出品しました。両作品の近似性に鑑み、同一作品に包括した形で「第2位」とのご判断でした。今日、聴いて頂くのは、その「歌曲バージョン」です。
 初演時、本日の演奏者でもある森山孝光さんが、丈の長い黒いコートを着て、「宮沢賢治になりきって」歌って下さったことが忘れられません。
 
<最近の主な活動>
 東日本大震災被災者に捧げる思いを「懐かしい未来へ」~もう一つの鎮魂歌~ という作品に仕上げました。かつて、震災から二年を経た春に宮城県南三陸町の防災庁舎の廃墟の前に立ち、その感慨を歌にした「鎮魂歌・あざみの花に」という作品を書き上げましたが、今回の作品はその続編。震災から5年の歳月を経た現地を見て回り、被災者の皆さんのお話しを伺いつつ、「未来への希望」と「生きることの意味」を問う作品となりました。3年の間を置いて書かれたこれら二作品をもって、被災地の方々に聴いて頂く機会を創っていきたいと考えています。
 
<今後の主な活動予定>
1)三好達治、八木重吉、髙村光太郎等の詩の世界に寄り添い、引き続き「歌曲」を書いていきたい。
2)東日本大震災被災者への思いを、音楽で綴る作業を続けていきたい。
3)私の郷里、岐阜県養老町に伝わる「多芸七坊(たぎしちぼう)焼失伝承」を題材に、脚本・作曲・オーケストレーション含め全て手作りの創作歌劇を、「生涯のライフワーク」として書き上げたい。
音の博覧会1

音の博覧会2

音の博覧会3

音の博覧会4

音の博覧会5
 
 
 
竹鼻雪乃S
【 竹鼻雪乃 】
 尚美学園大学4年次在学中。作曲を愛澤伯友、川島素晴、小島有利子の各氏に師事。第18回TIAA全日本作曲家コンクール室内楽部門第3位入賞。第20回東京国際室内楽作曲コンクール入選。
 
「白の上の色彩」 演奏:田上瑞帆(ピアノ)
<曲目解説>
 この曲は、冒頭で示される7つの音を主軸にして作られています。その7つの音は、ファ♯を中心にして、上下に7度ずつ並べた音を使用しています。静謐な響きの中に唐突に現れる打撃音、時折現れるトリルなどは、苛立ちや焦燥感などの感情であり、「どんなに色を作っても、なかなか理想の色が出せない」というもどかしさを表しています。そして、終始それは収まることなく、7音を残して曲は閉じます。
 
<出品曲誕生秘話>
 今回の出品曲は3年前に書いた曲です。その時読んでいた小説の中に「パレットの上で色を作ろうとするが、思い通りの色が出ない」というような文章が出てくるのですが、その文章からこの曲を思いつき、キャンパスに色を塗ろうとするけれども、中々思い通りの色が作れないもどかしさを描いた曲としました。
 
<最近の主な活動>
 今は大学4年に在籍していますので、大学内での創作活動に従事しています。その他には、出版社からの委嘱を受けて、吹奏楽曲や小学生向けの金管バンドの曲などを書いています。
 
<今後の主な活動予定>
 今後は進学を予定しており、作曲の勉強と創作活動を続けていきます。
音の博覧会6

音の博覧会7

音の博覧会8

音の博覧会9

音の博覧会10 
 
 
 
洪純純S
【 洪純純 】
 台湾台北生まれの女流作曲家、4才頃からピアノを始め、七歳頃からピアノの曲を作曲する。米国ニューヨークのマンハッタン音楽院で学士課程とカルフォルニア州立大学バークレー分校で修士課程を修了し、その後パリ国立高等音楽院で、作曲を勉強した。さらに、自由な音楽創作空間を求めて、ロサンジェルスの UCLA Extensionで、映画音楽を学んだ。交響曲 “唐明皇と楊貴妃”は サンフランシスコ女性の交響樂団のリーディングセッションに入選し、当楽団によって演奏録音された。当年楽団が演出した曲目は 米国 ASCAP アワードを受賞した。台湾ドキュメンタリー映画 “辛奇監督の物語”にあるオリジナル音楽の作曲と演奏を担当。
  
「生命の輪:ピアノ獨奏曲」 演奏:洪純純(ピアノ)
<曲目解説>
 この曲は、単純なものから複雑なものまで、人間の生活の説明です。
災害を体験することも、感じを癒します。
 曲の第一部分:テーマプレゼンテーションの前進 と 第二部分の和聲準備、その内容から生まれピッチとハーモニーを使用します。
 不協和度の增加により、第二部分の聴覚は感覚を示すように変更します。
 第三部分で、不協和サウンドの減少とテーマの調性バージョンのプレゼンの寛ぎ、人を励ますメロディーとハーモナイゼーションの表現。
 曲は、有調と無調で 音響変化に加えて、それで、オリエンタルスタイルで音程と音楽的要素を使用します。
 
<出品曲誕生秘話>
 この曲を書く理由、人間の災害と不幸を音楽に回し、そして、私は現実にこれらの感じは まだ 希望と太陽の光に 変えることを願っています。
 
<最近の主な活動>
1.いくつかの作品は 米国のウェブサイトで売って、前の作品”空間三重奏”も。
2.今交響曲を ゆっくりと書き続けます。
 
<今後の主な活動予定>
 今後は、この交響曲は TIAAオーケストラによって演奏されることを願っています。私は 数年前に TIAA賞をもらいました。常にこの励ましを覚えています、協会に感謝したいと思います。
 台北で作曲リサイタルも開催したいと思います。
音の博覧会11

音の博覧会12

音の博覧会13

音の博覧会14

音の博覧会15

音の博覧会16
 
 
 
杉森雅大S
【 杉森雅大 】
 3歳頃からピアノに親しみを持ち、小学校に入学した頃より名古屋音楽大学教授大口光子氏に師事。東海中学、東海高校、東京大学医学部医学科を卒業し現在に至る。
 1998年、第6回中部ショパン学生コンクールにて本選出場。第16回(1999年)および第18回(2001年)日本ピアノ教育連盟ピアノオーディションにて本選出場。2001年夏、第16回蓼科音楽祭リサイタル部門に出場、蓼科賞受賞。同冬にピアノリサイタル開催。第23回(2006年)および第24回(2007年)日本ピアノ教育連盟ピアノオーディションにて優秀賞受賞。同第28回(2011年)本選出場。第3回東京かつしか作曲コンクール入選。第18回および19回TIAA全日本作曲家コンクール入選。第20回同コンクールにて奨励賞受賞。
 
「Girls Talk」「雛菊」 演奏:杉森雅大(ピアノ)
<曲目解説>
「Girls Talk」
 イラストレーターnagmeg氏の同タイトルのイラストにインスピレーションを得て作曲しました。子供のために、というコンセプトで作りましたのでテクニック的にはそんなに複雑ではありませんが、その分かわいらしい雰囲気が伝われば嬉しいです。
「雛菊」
 私たちの運命が永遠でないこと、最初から決まっていたんだね。
さようなら、私の愛しい雛菊。
 
<出品曲誕生秘話>
 Girls Talkのイラストを描いたnagmeg氏は、水彩で繊細な表情の女の子を描くイラストレーターさんですが、たまたまイラスト集を手に取って以来その魅力にはまってしまい、今回インスピレーションを得て作曲しました。
 雛菊は、時は大正時代、雛菊とその思い人は両思いでしたが、雛菊は親の決めた相手と結婚することが決まっていて、ついに結婚前夜、雛菊は思い人との仲を親に壊されてしまう。雛菊は自分の気持ちを示すためその人に指輪を贈るが、その思い人は実は以前より肺病を患っており、結婚式当日に雛菊をさらいにいこうとした矢先に倒れてしまい、ついに指輪を受け取ることはなかった、という漫画の一節を音にしました。
 
<最近の主な活動>
 本職が予想外に忙しくなり、あまり曲作りができてないのが現状です。nagmeg氏他すてきなイラストを多数みつけてしまいまして、これはすてきなメロディーが生まれてきそうだ、と構想だけは練っています。
 
<今後の主な活動予定>
 作曲の楽譜を出版させていただく予定です。
音の博覧会17

音の博覧会18

音の博覧会19

音の博覧会20

音の博覧会21

音の博覧会22
 
 
 
土屋光彦S
【 土屋光彦 】
 1967年生まれ。十代の頃ピアノを山岡優子に、作曲を三善晃に師事。麻布高等学校、上智大学文学部フランス文学科を経て、東京藝術大学大学院音楽研究科ピアノ専攻中退。パリ・エコール・ノルマル音楽院にて高等演奏家資格を取得。セニガリア国際音楽コンクール(イタリア)第2位。第16回横浜市招待国際ピアノ演奏会に日本代表として出演。TIAA全日本作曲家コンクールにてこれまでに6回(計8曲)の入賞もしくは入選を果たす。
 
「Sirènes~セイレーンⅠ・Ⅱ~」 演奏:土屋光彦(ピアノ)
<曲目解説>
 セイレーンとはギリシア神話に出て来る半分人間、半分鳥(のちに魚とされた)の怪物であり、海辺の岩上で美しい歌を歌ってその下を通る舟人たちを惑わせて、遭難させたり難破させたりする。2曲ともモーリス・ブランショの言う、その「人間のものではない歌」をテーマとしているが、特に「セイレーンⅡ」の方はその歌が「どこから見ても人間とは異質無縁な、きわめて低い物音」であったと言うブランショの表現にヒントを得ていると言っておこうか。
 
<出品曲誕生秘話>
 私は小学校6年生の時、三善晃サンの「レクイェム」を聴いて、「凄い曲だな」と思ったんです。同じ頃、武満徹サンの「カトレーン」も聴いて、影響を受けました。だけど、その後十代の時にピアノの方が面白くなってしまい、三善先生を少し裏切った形になるかもしれないけれどもピアノの方の進んだのです。
 それで当時私は音楽の専門ではない一般大学を受験して合格したんですけれども、入学したての時にそれまでずっと師事していたピアノの山岡優子先生に「ピアノをやるなら早くコンクールを受けなさい」って言われて、突然ポルトガルのポルトー市で開かれた国際音楽コンクールを受けに行ったのです。それで本選に残り、第3メダルと言うのを頂いて本格的にピアノをやる事にしたのです。
 けれども40才を過ぎてから、「自分はやっぱり作曲でやり残した事がある」と思い、主にピアノ曲ですけれども作曲を再開して、TIAAの作曲コンクールを受け始めたのです。それで、色々作風の変化があったんですけれども、今日お聴き頂く「セイレーン」、これはチラシには印刷されていないけれども「セイレーンⅠ」と「Ⅱ」と2曲あります。これを書いた時に初めて自分で納得の行く曲が書けたと思ったんです。
 この「セイレーンⅠ」の方の弱音のトレモロで始まると言うアイデアは、ここ数年ヴァイオリンの古谷いづみサンと言う方とデュオリサイタルを続けて来ているんですけれども、その練習をしていて、やっぱりそう言う弱音でトレモロを弾く箇所があって、苦労してそこのところを弾いている内に思いついたのです。
 
<最近の主な活動>
 ヴァイオリンの古谷いづみサンと言う方と、毎年リサイタルをルーテル市ヶ谷センターと言うところでやっています。あと、指揮の清水史広サンと言う方の、演技指導まで含めたオペラのワークショップがあって、そこでピアノ伴奏をやっています。

<今後の主な活動予定>
 私の若い頃と言うのは三善先生や、武満徹などの有名な作曲家の円熟期で、かなりそう言った人々の作品を聴いて育った訳です。だから最近自分が各曲にもそう言った人々の影響がある程度あると思います。ただ自分としては特に彼らに才能が及ぶと言うような事は考えていなくて、あくまで自分の出来る範囲の事をやりたいと考えているところです。
音の博覧会23

音の博覧会24

音の博覧会25

音の博覧会26

音の博覧会27
 
 
 
 
 
本コンサートは関東圏から2名、東海圏から2名、台湾から1名の作曲家様にご参加いただきましたが、
台湾の台北駐日經濟文化代表處の謝 長延 代表様より非常に豪華なお花が届きました。
洪 純純 様宛のお花でございますが、主催としましてこの場をお借りして私どもからもお礼をお伝え申し上げます。
IMG_4683

IMG_4684

IMG_4685

IMG_4686

IMG_4687

IMG_4688

IMG_4689

IMG_4690

IMG_4691

TIAA音の博覧会2015 PART.2【批評記事掲載】


2015年9月19日(土)に『TIAA音の博覧会2015 PART.2』
未来に残すべき俊英作曲家による作品群
が日暮里サニーホール・コンサートサロンにて開催されましたが、
以下の方々の作品の演奏に対して、『音楽現代2015年11月号』に批評記事が掲載されました。
 
池田文麿 作曲
「お七幻想」~芝居人形の為の~
 演奏:井上喜義(尺八) 井上久子(十三絃筝)
 
川越道子 作曲
「Where to?」
 演奏:川越道子(ピアノ)
 
津布楽杏里 作曲
「やがて秋‥‥」(詩:立原道造)
「アダジオ」(詩:立原道造)
「唄」(詩:立原道造)
 演奏:津布楽杏里(ピアノ) 江原陽子(ソプラノ)
 
中村未央 作曲
Fomalhaut
牛若丸・五条大橋にて
日記より/今日もひとり,さいごの手紙
 演奏:中村未央(ピアノ)
 
本田朝子 作曲
竹久夢二の詩による3つの小歌曲集 ~みどりの窓/くれがた/凧~
笑顔をわけあおう
 演奏:本田朋行(テノール) 中野亮子(ソプラノ) 本田朝子(ピアノ)
 
川村菜穂子 作曲
月に琴弾きたるを聞きて ~紀貫之の和歌による3つの小品~
 演奏:古川真帆(ファゴット) 丸山佳織(ファゴット) 川村菜穂子(ピアノ)
 
松下行馬 作曲
島神楽Ⅱ
 演奏:板井美知(ソプラノ) 細川恵美子(ピアノ)
 
北川真里菜 作曲
ピアノのための小品 Ⅰ.「黒」 Ⅱ.「白」
 演奏:北川真里菜(ピアノ)
 
音の博覧会2015Part2批評掲載
 
批評記事を執筆して下さいました浅岡弘和様と、掲載して下さいました『音楽現代』誌様に
この場を持ちまして、篤くお礼申し上げます。
(補:誌面のレイアウトの関係でしょうか、右下の●の影響で本文の「ソプラ」が消えてしまっています)

2015年9月19日(土)TIAA音の博覧会 2015 PART 2【ギャラリー】


2015年9月19日(土)に日暮里サニーホール コンサートサロンにて
『TIAA音の博覧会2015 PART 2 未来に残すべき俊英作曲家による作品群』 が開催されました。
15091902
TIAA全日本作曲家コンクールの受賞者によるコンサート『TIAA音の博覧会』ですが、2013年に開催して以来、2年ぶりに今年の7月と9月に同コンサートを開催いたしました。
ベートーヴェンやモーツァルトといった神格化された作曲家も、同時代に生きていたらどんなお話を聞かせてくれるのだろうと思うのですが、せっかくですから同時代に生きている作曲家たちに作品についてのお話をしていただく機会を設けました。
現代に作られているせいで「ゲンダイオンガク」と遠ざけられがちな新作たちを、身近に感じて頂ければと企画させていただきました。
 
 
 
池田文麿 作曲
「お七幻想」~芝居人形の為の~
 演奏:井上喜義(尺八) 井上久子(十三絃筝)
20150919音の博覧会part.2_池田1

20150919音の博覧会part.2_池田2
<曲目解説>
以前から「八百屋お七」を題材としたオペラを書こうとしていましたが、まず劇中の音楽要素を含んだ前奏曲を作ろうと思い立ち、さらに日本の歌劇なので和楽器でも演奏可能なものにしたいとも思いました。そんな中で私が習っている現代尺八の師匠・井上喜義氏と奥様の筝演奏家・井上久子氏の助言を得ながら作曲した近現代作品です。女性の情念を描きました。
<演奏曲誕生秘話・最近の主な活動・今後の主な活動予定>
和楽器は限られた調弦や笛穴です。しかしその制約の中でしか表現できない独特の味わいがあります。それがわかってくると均一な12音の半音が出る西洋楽器が物足りなくなってきます。現在、曲目解説に書いた井上氏の依頼を受け、クラシック音楽を和楽器に編曲したり、和楽器と洋楽器を混ぜた合奏曲を作曲をしたりしています。逆に和楽器の為に書いた曲を洋楽器に編曲して演奏しています。昨年、井上さんの師である邦楽作曲家故舟川利夫の傑作「複協奏曲」を和楽器合奏伴奏からピアノ伴奏およびオーケストラ伴奏への編曲をいたしました。日本の名曲として広まって行くことを願っています。
IMG_0143

IMG_0144

IMG_0145

川越道子 作曲
「Where to?」
 演奏:川越道子(ピアノ)
20150919音の博覧会part.2_川越1

20150919音の博覧会part.2_川越2
<曲目解説>
「Where to?」は一つの楽章から成る、三部形式のピアノ独奏曲です。冒頭部分の主題が、中間部では不協和音と複雑な対位法を用いて展開されて行きます。再現部では和声の変化にコーダを加えて、追想します。大切な人が急逝してしまった。一体何処へ行ってしまったのか。嘆きと叫びと祈りの複雑な心理状況を表現しました。
<演奏曲誕生秘話・最近の主な活動・今後の主な活動予定>
最愛の夫が2年前に病に倒れ、急逝しました。未だに信じられない事実ですが、やっと曲を書けるようになりました。最近の活動は休止状態でした。
来年は海外で尺八音楽の新作発表とワークショップを予定しています。
IMG_0146

IMG_0147

IMG_0148

津布楽杏里 作曲
「やがて秋‥‥」(詩:立原道造)
「アダジオ」(詩:立原道造)
「唄」(詩:立原道造)
 演奏:津布楽杏里(ピアノ) 江原陽子(ソプラノ)
20150919音の博覧会part.2_津布楽1

20150919音の博覧会part.2_津布楽2
<曲目解説>
詩に導かれて曲が完成した。24歳という若さで急逝した立原道造の詩が皆さまに伝わりますように。共演してくださる江原陽子(ソプラノ)氏は東京藝術大学声楽科在学中よりNHK「うたって・ゴー」に歌のおねえさんとしてレギュラー出演。1991年より日本フィル「夏休みコンサート」に歌と司会で出演している。
<演奏曲誕生秘話・最近の主な活動・今後の主な活動予定>
 学生時代から立原道造の詩に親しんでいる。立原道造が気に入っていた長野県の出身でることに親近感を覚える。今後も立原道造の詩に曲を付けていきたい。
現在は短期大学で保育士を目指す学生にピアノを教えている。ピアノの苦手な学生のために童謡などの編曲も行っている。また、童謡の作詞・作曲にも力を入れている。ドレミ楽譜出版より「弾き歌いピアノ曲集」(自作童謡20数曲を含む)が発売されている。今後は自作童謡に振付家が動作を加え、保育現場で使える振り付け集として発表予定である。
IMG_0152

IMG_0154

IMG_0155

中村未央 作曲
Fomalhaut
牛若丸・五条大橋にて
日記より/今日もひとり,さいごの手紙
 演奏:中村未央(ピアノ)
20150919音の博覧会part.2_中村1

20150919音の博覧会part.2_中村2
<曲目解説>
≪Fomalhaut≫ ≪牛若丸・五条大橋にて≫
標題音楽的な小曲です。フォーマルハウトは南の魚座の一等星で、秋に南の空低くにポツんと光る唯一の一等星で、秋の一つ星ともよばれています。牛若丸~は、皆様ご存知の弁慶とのシーンです。ひらりと身をかわす様子など伝わると良いのですが。
≪日記より・・・今日もひとり, さいごの手紙≫
こちらは、思いつくまま書き溜めている曲たちで、この2曲は新作になります。私の中ではメロディーに歌詞?(日記の文章?)が付いていて、恥ずかしいので内緒ですが、何て言ってるのかなぁなんて想像しながら聴いて頂くといとをかしかもです。
<演奏曲誕生秘話・最近の主な活動・今後の主な活動予定>
最近は、連弾や2台の曲をずっと書いていました。特に、普段は講師業もしておりますので、ド~ソがやっと弾けるような3,4才の小さい子でも弾ける連弾曲をどうにかしたいと思うのですが、限られた音数や無理のないリズムで稚拙にならぬよう作るのには、殊の外難航しております。
日記シリーズは、曲数が増えてきたら、まとめて発表したいと考えています。ちなみに、普通の日記は、人生の中で夏休みの絵日記以外書いた事はありません(笑)
IMG_0157

IMG_0158

IMG_0159

本田朝子 作曲
竹久夢二の詩による3つの小歌曲集 ~みどりの窓/くれがた/凧~
笑顔をわけあおう
 演奏:本田朋行(テノール) 中野亮子(ソプラノ) 本田朝子(ピアノ)
20150919音の博覧会part.2_本田1

20150919音の博覧会part.2_本田2

20150919音の博覧会part.2_本田3
<曲目解説>
1曲目は、日本画家であり詩人である竹久夢二の詩集より3作を選んだ連作歌曲。「青春」「絶望」「希望」と、ひとつのストーリーとして構成した。
2曲目は、NPO法人キャトル・リーフのオリジナルミュージカルのために作曲した原曲を、今回新たに2重唱曲として編曲した。作詞:田中由紀子、手話振付:中山愛、松浦喜一。
<演奏曲誕生秘話>
■「竹久夢二の詩による3つの小歌曲集」は、宮帯出版社の竹久夢二詩集百選から詩を選び曲をつけました。作曲にあたり、夢二の他の詩や、絵画の根底に流れる優しさや品の良さ、そして時として垣間見える人間味あふれるところなどを、曲の雰囲気にも反映できるように努めました。
「青春」「絶望」「希望」をキーワードにそれぞれ作曲しましたが、どんなシチュエーションかは特定させず、この曲を聴いている人それぞれのご想像に委ねたいと思います。
(尚、作曲者本人は、当初「恋愛の楽しい時期→あえなく失恋、他のこともうまくいかず落ち込む→立ち直り、新たな一歩を踏み出す決意をする」という仮設定をしながら作曲を進めました。)
■「笑顔をわけあおう」の原曲は、2010年のキャトル・リーフの作品「空まで届け」のテーマソングとして作曲しました。キャトル・リーフは、医療施設や高齢者福祉施設、特別支援学校などで、年間を通じてオリジナルミュージカルをお届けするボランティアを行っているNPO法人です。
今回は、歌詞やモチーフはそのままに、場面設定をがらりと変え、下記のような架空のオペラの一場面を想定し編曲しました。
 悩みを抱えた人間(テノール)が迷い込んだ暗い洞窟のなか、光がさして女神(ソプラノ)が現れる。
 女神は優しく人間に歌いかけ、妖精とともに洞窟の暗闇を光に変え、人間を導き希望を与えていく。
 つらいときには 涙をわかちあい 涙がかわいたら 笑顔をわけあおう
田中由紀子さんの優しく力強い歌詞がまっすぐに届くよう、アレンジは極力シンプルにし、ソプラノの美しい歌声を活かすことを心がけました。
キャトル・リーフのミュージカルは、手話を基にした振付が特徴的なのですが、今回は、冒頭部分をその振りと共に演奏いたします。歌詞の紡ぎだす世界をさらに広げていく、素敵な手話振付にも是非ご注目ください。
<最近の活動と今後の予定>
現在、キャトル・リーフのオリジナルミュージカル「正太と願い石」再演に向け、音楽制作スタッフとして、新曲作成および過去の音楽の手直しに取り掛かっています。
以降も、同法人の生と死を題材にしたオリジナルミュージカルの音楽制作を担当する予定です。(NPO法人キャトル・リーフ)
また、演奏する側としても、東北復興支援のチャリティーコンサートに参加したり、オーケストラ付きの合唱曲に対する理解を深めるため、東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団の専属合唱団である東京シティ・フィル・コーアのメンバーとしても活動しています。
これからも、聴く人、演奏する人双方の気持ちに寄り添うことのできる、そんな曲を作っていきたいです。
IMG_0164

IMG_0166

IMG_0175

IMG_0180

川村菜穂子 作曲
月に琴弾きたるを聞きて ~紀貫之の和歌による3つの小品~
 演奏:古川真帆(ファゴット) 丸山佳織(ファゴット) 川村菜穂子(ピアノ)
20150919音の博覧会part.2_川村1

20150919音の博覧会part.2_川村2
<曲目解説>
貫之集による屏風の歌3首より。
第1曲:男が弾く琴の音に女が聞き惚れる情景、小ロンド
第2曲:女の募る恋心、オスティナート風小品
第3曲:男が琴の音に籠めた思い、自由なソナチネ
各曲に、男が弾いたとされる琴の名曲「白雪」の引用、「白(=しら)雪」のシ・ラの音、「琴(=こと)」の5・10度音程を用いた。
<曲について・最近や今後の活動など>
・編成は初めに決めた。最初に演奏者を募ってから曲を考えようと思い、知り合いに声をかけたところ、古川さんが興味をもってくれ、さらに丸山さんを誘ってくれた。
・演奏会の9月にふさわしい曲ということで、月にまつわる文学作品を探していた。ちょうど貫之集の中に月にまつわるロマンチックな作品があることを知り、また琴(音楽)にも絡んでいた内容だったのでこの和歌3首に決めた。
・イメージを固めるために、静岡県浜松市北区の龍譚寺(りょうたんじ)に1日居座り、そこで筆を進めていた。日本風の建築物と風景に浸りたくて、自宅からほどほどの距離という理由で。観光に来ていた人とも仲良くなり、心温まる旅となった。
・今年で作曲を初めてから20年になる。
・現在、平日は浜松市の楽器工場で鍵盤ハーモニカ制作の仕事
・現在、土日は地元のこどもミュージカル(自身はOG)で伴奏ピアニスト
・その他、不定期でミニコンサートを企画して過去20年間の作品を順番に発表、その際の音源はYouTubeで公開している。
IMG_0183

IMG_0188

IMG_0189

IMG_0192

松下行馬 作曲
島神楽Ⅱ
 演奏:板井美知(ソプラノ) 細川恵美子(ピアノ)
20150919音の博覧会part.2_松下1

20150919音の博覧会part.2_松下2
<曲目解説>
《島神楽Ⅱ》は,離島の神楽を題材にした「島神楽」シリーズの第2作目である。長崎県平戸島に伝わる平戸神楽に基づいたソプラノとピアノのための作品で,本演奏会のために書き下ろしたものである。全24番の舞の中から,核となる「岩戸神楽」を中心に,実際に歌われる歌や囃子のコラージュによって構成されている。 (※島神楽ⅡのⅡはローマ数字の大文字でお願いします)
<演奏曲秘話>
 平戸神楽は毎年10月26日に奉納されます。平日の場合が多く,これまで機会がとれなかったのですが,昨年,時間がとれましたので,実際に足を運び,全24番を鑑賞しました。その時に,他の離島の神楽と比べて明るい調子であることにインスピレーションを受け,作曲の構想を温めていたところ,本演奏会のお話があり,この度の初演の運びとなりました。
<今後の活動の予定>
 「島神楽」シリーズの第3作目で,島根県隠岐島前(どうぜん)神楽を題材にした《島神楽Ⅲ》を11月10日に兵庫県西宮市にて発表します(現在作曲中)。また来年夏には,「島神楽」シリーズをはじめ,日本の郷土芸能を題材にした歌曲を集めたCDが, ファウエム・ミュージック・コーポレーション より発売の予定となっています。
IMG_0197

IMG_0198

IMG_0201

北川真里菜 作曲
ピアノのための小品 Ⅰ.「黒」 Ⅱ.「白」
 演奏:北川真里菜(ピアノ)
20150919音の博覧会part.2_北川1

20150919音の博覧会part.2_北川2
<曲目解説>
「相反するものは、その奥深く通ずる所で表裏一体である」。同じ動機を使って、どこまで自分なりの「黒」と「白」の世界観を広げ表現できるのか、自分と向き合いながら曲にしました。
<最近の主な活動・今後の主な活動予定>
今作品は、様々な楽器編成の楽曲を書くなかで、私の原点であるピアノという楽器に立ち返りたいと思い、ピアノ独奏のための曲としました。
最近の主な活動としては、海外への音楽留学、演奏活動、委嘱作品の作曲などを手掛けています。普段は、小学校教諭として子どもたちと一緒に音楽を楽しんでいます。
ヨーロッパへの留学で、日本独特の雰囲気や良さをより感じることができ、今後は環境を生かして東洋的な旋律を深めた作品づくりにも挑戦できたらと考えています。
IMG_0203

IMG_0204

IMG_0207
 
 
 
また今後もこうした演奏会を企画して参りたいと存じます。

TIAA音の博覧会2015 PART.1【批評記事掲載】


2015年7月25日(土)に『TIAA音の博覧会2015 PART.1』
未来に残すべき俊英作曲家による作品群
が日暮里サニーホール・コンサートサロンにて開催されましたが、
以下の方々の作品の演奏に対して、『音楽現代2015年10月号』に批評記事が掲載されました。
 
関口ちあき 作曲
真珠はパリ色の夢を見ている
 演奏:関口ちあき(ピアノ)
白雪の夜
 演奏:林拓馬(テノール) 関口ちあき(ピアノ)
 
末岡武彦 作曲
譚詩曲 第三番(Ballade No.3)
 演奏:末岡武彦(ピアノ)
 
木村恵理 作曲
空のように(詩:八木重吉)
わたしと小鳥と鈴と(詩:金子みすゞ)
ゆづり葉(詩:河井酔茗)
 演奏:東誉子(ソプラノ) 山田智恵(ソプラノ) 木村恵理(ピアノ)
 
野村朗 作曲
挽歌(詩:井上靖)
 演奏:森山孝光(バリトン) 森山康子(ピアノ)
 
綿引浩太郎 作曲
フルートとピアノのためのソナチネ
 演奏:鈴木舞(フルート) 綿引浩太郎(ピアノ)
 
横田直行 作曲
無伴奏ヴィオラソナタ第1番「フモレスケ」
 演奏:加治友理(ヴィオラ)
 
村尾なつめ 作曲
組曲「遠くからの声」1.遠くからの声 2.白桃 3.切花 4.糸(作詩/塔和子)
 演奏:辻岡美沙子(ソプラノ) 村尾なつめ(ピアノ)
 
音の博覧会2015-1_音楽現代201510批評
 
批評記事を執筆して下さいました福田滋様と、掲載して下さいました『音楽現代』誌様に
この場を持ちまして、篤くお礼申し上げます。
 
 
さて、この『TIAA音の博覧会2015』未来に残すべき俊英作曲家による作品群ですが、
Part.2が明日(9月19日)開催されます。
台風等による長雨があけた晴れの到来の19日、ぜひ聴きにいらしていただきたいと存じます。
 
 
2015年9月19日(土)TIAA音の博覧会2015 PART.2
未来に残すべき俊英作曲家による作品群
15091902
場所: 東京・日暮里サニーホールコンサートサロン
 
時間: 12:30開演 (12:00開場)
 
料金: 全席自由 前売3,000円 当日3,500円
 
プログラム:
池田文麿 作曲
「お七幻想」~芝居人形の為の~
 演奏:井上喜義(尺八) 井上久子(十三絃筝)

川越道子 作曲
「Where to?」
 演奏:川越道子(ピアノ)

津布楽杏里 作曲
「やがて秋‥‥」(詩:立原道造)
「アダジオ」(詩:立原道造)
「唄」(詩:立原道造)
 演奏:津布楽杏里(ピアノ) 江原陽子(ソプラノ)

中村未央 作曲
Fomalhaut
牛若丸・五条大橋にて
日記より/今日もひとり,さいごの手紙
 演奏:中村未央(ピアノ)

本田朝子 作曲
竹久夢二の詩による3つの小歌曲集 ~みどりの窓/くれがた/凧~
笑顔をわけあおう
 演奏:本田朋行(テノール) 中野亮子(ソプラノ) 本田朝子(ピアノ)

川村菜穂子 作曲
月に琴弾きたるを聞きて ~紀貫之の和歌による3つの小品~
 演奏:古川真帆(ファゴット) 丸山佳織(ファゴット) 川村菜穂子(ピアノ)

松下行馬 作曲
島神楽Ⅱ
 演奏:板井美知(ソプラノ) 細川恵美子(ピアノ)

北川真里菜 作曲
ピアノのための小品 Ⅰ.「黒」 Ⅱ.「白」
 演奏:北川真里菜(ピアノ)
 
まだチケットは販売されています。
リンク先での販売が閉じてしまっておりましたら
当日券もございますので、お越しをお待ち申し上げます。

TOP

About

TiaaBlogはTiaaスタッフによるブログです。演奏会情報や、舞台の裏話、最新クラシック情報などをお届けいたします! (X)