2019年6月15日(土)に東京・日暮里サニーホールコンサートサロンでAsami Wada Violin Recital~祈り~“Prayer”を開催いたします。リサイタルに向けて和田明佐美さんにインタビューいたしましたので、ご覧ください。

・今回のリサイタルに向けての抱負を教えてください。

二十歳を迎えて、初めてのソロリサイタルをさせて頂く運びとなり、心より感謝しております。今回のリサイタルに至るまで皆様に沢山の愛を頂き、励まされました。全てに感謝して、『感謝の祈り』を込めて演奏したいと思います。音楽は人の気持ちを沢山込めて作られています。その気持ちが伝わる様に演奏する事で、時代を越えて心に伝わります。そして癒しと賛美を奏でられたら幸いです。

・演奏される曲の聴き所などを教えてください。

◇ J.S.バッハ:無伴奏ヴァイオリン・パルティータ 第2番 ニ短調 BWV1004
J.S.Bach : Partita for Violin Solo no.2 in D minor, BWV1004
第1楽章 アルマンド Allemanda
組曲の始まりは、目を瞑ると心臓の鼓動と血液の流れを感じ、何を今求めるか?語りかけ問いかける。
第2楽章 クーラント Corrente
問いかけに答えるように、生かされている感謝と喜びが湧いてきて、スキップする様に付点のリズムで心が躍動する。
第3楽章 サラバンド Sarabande
やがて、その喜びがゆっくりとして、心を落ち着かせ静かさと美しさを響き渡らせる。
第4楽章 ジーグ Gige
頭に浮かぶまま、速い響きは単音とは思えない充実感に満たされ、また現実に戻って躍動を感じる。
第5楽章 シャコヌ Ciaccona
シャコンヌは、数あるバッハの曲の中でも比類ない傑作とされ、不朽の名作と讃えられています。
『巨匠の精神が楽器に魂を吹き込んで、信じがたいほどの表現を生み出す。このシャコンヌは物質に対する精神の勝利であり、バッハといえども、これ以上の輝かしいものは2度と書きえなかったと言われています。
そして全曲の半分を占める、長大な曲です。古来、この曲の素晴らしさには百万言が費やされてきました。基礎となるオスティナート・バス(低音)の動きが、4小節ととらえれば64変奏、8小節ととらえれば30変奏ということになります。そのしっかりした基礎の上に築かれた、壮大な音の大聖堂です。あとはただ、音に身を任せるしかありません。様々な思いを乗せて、音の翼が広大な宇宙に広がっていくようです。シャコンヌは多くの作曲家が書いていますが、単にシャコンヌといえばバッハのこの曲を指します。たった1台のヴァイオリンで築かれた大伽藍ですが、人間はひとりだけでもこれだけのことができる、ということの証左とも言えるのではないでしょうか。まさに孤高の曲です。みんなの力と心がひとつになる合奏が与える感動とは、まったく逆の意義を持つものです。
私はこの曲を、一生かけて学んで行こうと決めています。バッハはクリスチャンです。まさにこの曲は神様に捧げた賛美です。『祈り』の曲と言われています。全てのこの世の出来事に、良い出来事も、一見悪い事の様に思える出来事も、それは神様の御計画であって、己の糧であり恵である事をかみしめ、感謝の気持ちで溢れる想いが込められています。そして赦しを導き、愛に溢れる曲です。

◇ G.U. フォーレ:ヴァイオリンソナタ 第1番 イ長調
G.U. Fauré : Violin Sonata No.1 in A major, Op. 13
フォーレ30歳の作品です。若さにあふれた活動力と成熟したテクニックが共存します。フォーレは、教会で幼い時から音楽を学び、オルガニスト奏楽者としても用いられました。フォーレの作品は、大聖堂で奏でるものというより、『サロン』で奏でる曲を沢山作りました。古典派からロマン派への架け橋となったとも言われています。フォーレは、サロンで賛美を伝えるために、賛美の魅力を直接的に相手に語りかける様に、人の想いを細かく描いているのも特徴的です。ヴァイオリンソナタ1番は、フォーレの作品の中でも、絶賛を受けた作品です。ロマン派の始まりを象徴するものだと思います。
各楽章はメロディーとリズムの力に満ち、二つの楽器が互いに良く鳴り響くように設計され、曲は4楽章からなり、若々しい情熱が高揚する両端楽章の間に、これとは対照的に、舟歌のような揺れるリズムを持つ歌謡的な緩徐楽章と気まぐれで軽やかなスケルツォ楽章が挟まれています。
フランスの哲学者ウラジミール・ジャンケレヴィッチは、このソナタについて次のように述べています。
「希望に満ちた高揚感、躍動感が光り輝くヴァイオリンソナタ第1番の推進力になっている。この作品では、アンダンテ楽章は子守歌となっているが、両端楽章はディオニューソス的霊感があふれんばかりの熱狂が感じられる。心臓は激しく鼓動し、血液は脈々と流れ、聖なる火が強い閃光を放って燃え上がるのだ。幾多の可能性を秘めたその生命力は、情熱に燃えてはじけるかのように姿を現し、溢れ出る旋律からは信頼感と活気、そして才気が強く感じられる……。」
— ウラジミール・ジャンケレヴィッチ
このような高揚感、躍動感にもかかわらず、曲全体としては古典的と呼べるほどの明澄さを備えているのは、音楽の根底に節度と均衡を失わない抒情の純粋さのためであると、日本の音楽学者平島三郎は指摘しています。 この点について、同じく日本の音楽学者大宮真琴は、第1楽章の楽式がはなはだ保守的であること、しかしフォーレにとって外面的な形式は楽想の束縛とならなかったとし、「彼のエスプリの純潔な高さが、外面的な一切のものを圧倒していたのである」と述べています。
私が、『祈り』のテーマで、この作品を選んだ理由は、古い物を大切にしつつ、現代を生きる様子が表現がされているからです。しっかりと信じるものを持ち、自分の人生を感謝しながら、そして祈りながら、生きる躍動感を表現する曲だと思います。

◇ F. クライスラー: 愛の喜び、 愛の悲しみ
F. Kreisler: Liebesfreud、 Liebeslei
愛の喜び(Liebesfreud)ハ長調の明るく快活で、正に「愛の喜び」に胸躍らせる曲調になっています。三部形式で3拍子の喜ばしいワルツ、冒頭から重音を駆使して、聞いている以上に演奏は難しい曲です。中間部は、愛の余韻に浸るような夢見るメロディ-が美しい。
愛の悲しみ(Liebesleid)この曲が「愛の喜び」と対になるのは、曲名からして納得だ。イ短調でかかれました。憂いを含んだメロディ-から始まり、三部形式で書かれたワルツです。
この2つ曲は、クライスラーのオリジナル曲としても有名です。これほどまでに全世界の人のが知ってる曲はないかと思います。人にとって愛は一生のテーマです。

『愛は寛容であり、愛は親切です。また人をねたみません。愛は自慢せず、高慢になりません。礼儀に反することをせず、自分の利益を求めず、怒らず、人のした悪を思わず、不正を喜ばずに真理を喜びます。すべてをがまんし、すべてを信じ、すべてを期待し、すべてを耐え忍びます。愛は決して絶えることがありません。』(コリント人への手紙I 13:4〜8)

私は、どんな時でも愛を感じる瞬間があり、どんな時でも愛に救われます。そんな気持ちをこの曲にのせて演奏したいと思います。『愛』に感謝し、『愛』に祈り。

・あなたにとって音楽とは何ですか。

私にとって音楽は、テーマの通り『祈り』です。
祈りは、人生そのものです。祈りの中に、苦しみも悲しみも喜びもあり、それに続く感謝があります。
私は音楽を通して神秘的な計らいを感じ伝える事が出来たら、私の人生においての役目が成就されると信じています。またその役目が果たせる様に、これからも一生、音楽を賛美し学び祈って行きまたいと思います。

故にずっと磨き続けたい!


演奏会詳細

2019年6月15日(土)Asami Wada Violin Recital~祈り~“Prayer”
時間:19:30開演(19:00開場)
料金: 全席自由 2,500円
出演:

                                                                                   ©渡辺隆彦

和田 明佐美 Asami Wada, Violin

2011年「Child Aid 」各国招聘、2012年「InternationalYoung Artist Exchange」受賞、2015年セシリア国際音楽コンクール第2位、「NorthernLights Music FestivalConcert Competition Winner」優勝、「Best SeniorViolinist in USA」受賞、2018年「ブルクハルト国際音楽コンクール」第2位受賞。

                                                                  ©オフィス内藤
田中 英明 Hideaki Tanaka, Piano

 

プログラム:

J.S.バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ 第2番 ニ短調 BWV1004
G.U.フォーレ:ヴァイオリンソナタ 第1番 イ長調
F.クライスラー:愛の喜び、愛の悲しみ

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