【インタビュー】2018年4月8日(日)第7回神谷玲子ピアノリサイタル

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2018年4月8日(日)に日暮里サニーホール・コンサートサロンで第7回神谷玲子ピアノリサイタルを開催いたします。リサイタルに向けて神谷玲子さんにインタビューいたしましたので、ご覧ください。

 

・今回のリサイタルに向けての抱負を教えてください。

2011年5月に第1回目のリサイタルをさせて頂いて以来、今回で7回を数える事となりました。今までご来場下さった多くの方々や、お世話になったスタッフの皆様のお力添えでやっとここまで来れたことを感謝しつつ、また今年も今まで以上により良いものを完成させたい一心で準備を進めています。私自身もこの間、色々なことを学び発見し、前進できたのではないかと感じています。例年より1か月早い開催となりましたが、夜桜に誘われてお客様がふらっと会場に足をお運び下さる事を期待して当日を迎えたいと思っております。

 

・演奏される曲の聴き所などを教えてください。

ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー(1840.5.7~1893.11.6)

「四季」より 4月 松雪草

演奏会時期に合わせ、チャイコフスキーの四季より「4月松雪草」で始めたいと思います。

ペテルスブルグで出されていた音楽雑誌の付録として、毎月相応しい題材を選んで、各月ごとに作曲されていきました。12曲とも、ロシアの詩人が各月のロシアの風物を題材に書いたものを参考に作曲されています。この温かみのある旋律は、雪解けの春への憧憬がこめられており、美しく抒情的です。

 

ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト(1756.1.271791.12.5

ピアノソナタK.331「トルコ行進曲付き」

モーツァルトのピアノ曲の中では、最も親しまれているもので、特に3楽章はトルコ行進曲として有名です。1783年末にウィーンで作曲されたようです。この年は、オーストリア軍がオスマン・トルコを撃退してちょうど100年にあたる年です。そのことに関連して作曲されたのかもしれません。また、1782年はコンスタンツェ・ウェーバーと父親の反対をおしきり結婚し、ピアニスト=作曲家として台頭する頃です。ピアノソナタではありますが、古典派ソナタの鉄則であるソナタ形式によってかかれた楽章が1つもありません。

1楽章は、当時ウィーンでポピュラーだったチェコ民謡のメロディーを主題とした変奏曲で作り、2楽章は、メヌエットとトリオ、第3楽章には、<トルコ風>という言葉をつけてあります。「トルコ風」の響きについては、モーツァルトはすでに前年にドイツ語オペラ「後宮からの誘かい」を作曲しており、どのようにすれば聴衆にトルコのイメージを与えることができるかを習得していました。それもウィーンの音楽愛好家を喜ばせるサービス精神からきたものだったようです。

 

フランツ・ペーター・シューベルト(1797.1.311828.11.19

即興曲作品.90-2 D899変ホ長調

シューベルトは、31歳の若さで死を迎えますが、この作品はその1年前に作曲されています。歌曲に非常な才能を発揮し、ピアノ曲では性格的小品や即興曲に秀でていて今でもこれらの作品の愛好家が多くいらっしゃいます。左手に流れるメロディーに、右手は、スキャットのように重なり美しい作品です。

 

クロード・アシル・ドビュッシー(1862.8.221918.3.25

前奏曲第2巻より12番「花火}

前奏曲第2巻は、1911年末から1913年初めにかけて作曲されました。「花火」の創作時期には、ストラビンスキーの音楽と出会った頃で、音楽的に革新的なものとなっています。

幻想的な雰囲気のあふれる彼の最高傑作といえます。7月14日のフランス革命記念日の夜空に炸裂する花火の情景を表しています。最後にフランスの国家「ラ・マルセイユ」の一部が遠くの方でかすかに聞こえ終わりを告げます。

 

フレデリック・フランソワ・ショパン(1810.3.11849.10.17

作品342「華麗なる円舞曲」の第2曲

ショパン自身がワルツの中で一番気に入っていたとされる作品です。陰鬱な感情が全体を支配しており、テンポもlentoで遅いため、つけられた題名の「華麗なる円舞曲」という言葉は出版社が作品34として3曲をセット販売する為つけたもののようで、この曲には全く相応しくありません。ディウ‘ィリー男爵夫人に献呈されたもので、ショパンは弟子に「これは物憂げなワルツです。この曲は一生かかっても弾けませんよ」と言ったとされています。おそらくショパンは、自分のように祖国を失う苦しみを味わった者だけがその思いを込められるという意味だったのでしょう。精神的な感情表現が重要なポイントになると思います。

 

作品341「華麗なる円舞曲」第1

この作品がつくられた1835年の8月に、20歳で亡命後、会えなかった両親と感激の再会を果たしました。その約1か月後に帰国する両親を見送りに行く途中、トゥーン=ホーエンシュタイン伯爵の居城への招待を受けました。その時その令嬢ジョセフィーナにレッスンを頼まれたので、作曲したばかりのこのワルツを彼女に献呈したとされています。作品18のワルツ同様、冒頭16小節のファンファーレに続き6部構成で書かれており、最後に華麗なコーダが加えられています。華やかさが全体を支配しており、軽快で楽しさにあふれています。

 

・あなたにとって音楽とは何ですか。

コンサート本番演奏中の経験で、何度か感じたことがあります。自分の奏でている音を、今この時に、お客様が真剣に聴いて下さっているなと感じる瞬間です。こういう時こそ、この上なく幸せな気持ちになります。自分は舞台にいて客席と少し離れてはいても、お客様との一体感を肌で感じ、心が通じているような気持ちになります。音の持つ力で自分の考えや気持ちが通じることは、とても不思議なことですしとても嬉しいことです。このように、音楽は、私にとっては非常に大切な<表現手段>としての一面を持っています。また、良い音楽を聴くと、心が弾んだり、和んだりもします。時には、薬のように心を癒してもくれます。私にとって音楽とは「絶対になくてはならないもの」としか言えません。

 


演奏会詳細

2018年4月8日(日)第7回神谷玲子ピアノ リサイタル
時間: 17:30開演(17:00開場)
料金: 全席自由 2,000円
出演:


神谷玲子  Reiko Kamiya, Piano
武蔵野音楽大学ピアノ科卒。エッセンフォルクヴァンク芸術大学卒。「エレーナリヒテル国際ピアノコンクール」第3位。「万里の長城杯」第2位。「長江杯」第3位。「アジア国際文化芸術フェスティバル」優秀賞。「全日本クラシック音楽コンサート」優秀賞。「東京ピアノコンクール」審査員賞。ピアノリサイタル、二台ピアノコンサート他、日本ニューフィルハーモニー管弦楽団、TIAA管弦楽団と共演。故デトレフ・クラウス、故小川冨美子、故梅谷明、各氏に師事。太田国際音楽セミナーにて、ウラディミールトロップ、リュドミラー・プルゥーシニク、故イーゴリニコノビッチ、イーゴリレベデフ各氏に師事。

 

プログラム:
チャイコフスキー:「四季」より 4月 “松雪草” 変ロ長調
モーツァルト:ピアノソナタ K.331 イ長調「トルコ行進曲付き」
シューベルト:即興曲 Op.90-2 変ホ長調
ドビュッシー:前奏曲集 第2集 より「花火」
ショパン:華麗なるワルツ Op.34-2 イ短調
ショパン:華麗なるワルツ Op.34-1 変イ長調

 

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