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映画『アナと雪の女王』の原題が『Frozen』であるように、作品名がその国々によってその国民に受け入れられやすい邦題に改められるケースは多いことです。
 
今月の21日(月祝)に開催される弦楽合奏団 Souvenir della Musica第8回演奏会では、シェーンベルク作曲の『浄夜/浄められた夜』を演奏しますが、この曲もそうした作品の一つです。
この作品はリヒャルト・デーメルの詩に基づくもので、原題を『Verklärte Nacht』といいます。ドイツ語『Verklärte Nacht』は英訳では『Transfigured Night(変貌の夜)』となります。キリスト教圏における「変貌」という意味合いが日本人に通じず、和名をつける際に「浄夜/浄められた夜」と意訳されました。
キリスト教圏では8月6日には「基督変貌祭(主の変容祭)」が行われていますが、「変貌」とは、キリストが死んだ後に彼の顔に変貌が現れて人間から神の姿に変わった、という事(主イエスの変容)に由来します。
こうした文化のなかった日本においては、変貌は即ち人間の浄化を抽象化したもの、ということで意訳して和名をつけるに至ったようです。リヒャルト・シュトラウスの「死と変容(Tod und Verklärung)」もこの故事に由来した曲名となります。
 
二人の男女が月明かり一つの冷たい冬の森の中を歩いており、女は、男に出会う前に父親が誰だかもわからない子を孕んでいることを伝えます。男は逡巡した後、その子を自分の子として育てることを決心し、女に伝えます。女の不道徳な罪も、胎児の出自の不幸も、驚愕の告白を受けた男性も、それぞれに浄められて光り輝く夜に消えていきます。
デーメルの詩の内容については以上のようになりますが、この詩はデーメル自身が犯したダブル不倫を基にして作られたものです。到底イエス・キリストとは関係なさそうな不浄な行いでありながら、自分の子ではない神の子を受胎したマリアと神の子イエスをわが子として慈しんだ育ての父、大工のヨゼフとデーメル自身とを重ね合わせた当時としてはスキャンダラス(破廉恥)な内容だったかと思います。
 
なんか面白そうに思えませんか?
もしご興味を持っていただけたら、ご来場をお待ちしております。
一緒に演奏するその他の曲も、「愛(あい)と業(ごう)を描く」と題したテーマに沿って、オペラの名シーンなどを組み合わせております。「業(ごう)」とは「業が深い、業を煮やす、自業自得」など、行為そのものや行為の持っているエネルギーを指します。愛に包まれて昇華されるエネルギー、愛に包まれながらも不幸になるエネルギー、そうしたものを描いた作品を表現できたらと思っております。
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ダラス室内交響楽団(アメリカ)コンサートマスターの高木和弘氏によるソロの曲、ワックスマンのカルメン幻想曲も見どころ聴きどころの一つです。皆様のお越しをメンバー一同、心よりお待ち申し上げます。
 
     (弦楽合奏団 Souvenir della Musica ヴィオラ奏者/インスペクター : 志村和紀)
 
 
 
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< 日時>
2014年7月21日(月祝)
昼公演 14:00 開演 (13:30 開場)
夜公演 19:00 開演 (18:30 開場)

< 場所>
東京・杉並公会堂 小ホール
JR中央線・東京メトロ丸の内線荻窪駅北口徒歩7分
〒167-0043東京都杉並区上荻1-23-15
TEL:03-3220-0401(代)

< プログラム>
ウェーベルン / ラングザマー・ザッツ
プッチーニ / 菊
プッチーニ / ある晴れた日に
ワックスマン / カルメン幻想曲 [solist 高木和弘]
シェーンベルク / 浄夜

< 入場料>
全自由席3,000円
チケットの予約は「こちら」からお願いします。

< 出演者紹介>
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